書かなきゃいかんと思いつつ、忙しすぎて久しぶりにブログ記事書いてます。百姓は貧乏暇なしでひたすら肉体労働。昼は当然、夜は酒飲んで貴重なくつろぎのひととき、物を書く気力すら湧きません。
今日は暑すぎて、畑に行くことをグズっているので、軽くパソコンに向かって一言。
無農薬で化学肥料も使わない栽培とはどいうことかを軽く説明しときます。これ、農家でないと実態がつかめないかと思います。まず、化学肥料を使わないとは、要するに地力がないと育ちません。地力があれば、腐葉土や米ぬかなどの有機物を投入しても、野菜が育ちます。なぜか?つまり、土の中に生息する無数の微生物群が、有機物を植物の栄養素に分解してくれるからなんです。
そんな肥沃な畑では、野菜も育ちますが、当然雑草もグングン育ちます。除草剤ももちろん使いませんので、日々雑草との戦いです。毎年どのように雑草を取り除くか、暇があれば考え、試行錯誤を繰り返しております。春も暖かくなってくると、田んぼの水温も当然上がります。するとどうなるか。田の水底にかすかに雑草の芽が見えてきます。田んぼ一面にです。そのまま放っておけば、一面雑草だらけになり、稲も雑草に負けてしまいます。
そこで考えたのが(自分で考えたわけでなく、ネットで調べました。)、自作チェーン除草。鉄製バーに暖簾(のれん)のようにチェーンを垂らすだけというチープな工作で、しかもプリミティブに引きずるだけ。農業はできるだけ金をかけずにやるというのが持論です。農協と農機具メーカーの餌食になって借金まみれになってしまう農家の多いこと多いこと。
話が脱線しましたが、除草もタイミングが大事です。田植えが終わってほっと一息と行きたいところ、3日以内に除草開始です。チェーンを田んぼの隅から隅まで田植え機で引きずります。引きずると、目に見えないほどの雑草の芽がたくさん水面に浮いてきます。肉眼ではっきりと確認できるほどまでに成長してしまった雑草は、すでに時遅しです。なので、三日以内に第一回目の除草、そして3、4日以内にまた次というようにして最低四回は入ります。
それでも完璧ではないので、チェーン除草をすり抜けてしまった雑草は、田んぼに直接踏み入って手取りです。炎天下、頭はアブ、足はヒルの奇襲攻撃にあいながらのこの作業は、無農薬農家の夏の恒例行事「ザ・ガマン」といったところでしょうか。
2021年夏

